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お友達と会場に足を踏み入れた私。
昼の部の時のアットホームな感じとはまた違って、なんていうんだろ
雰囲気が圧倒的というか、シャンデリアの色味もあるのかな?ムード満点?
とにかく緊張しちゃう・・・・!
とりあえず様子をみるために会場の隅の方で縮こまる。
会場脇にあるテーブルの上には美味しそうな料理と飲み物。
私は飲み物を手に取って飲んだ。
一緒に来たみんなの緊張感も伝わる・・・
会場の方を見ると、おそらく先輩たちなのかな?
仮面で誰だかわからないけどもう何組か踊り始めてた。
優雅ででもみんな楽しそうで、キラキラした世界。
ママがいってたのってこんな感じなんだ・・・!
キラキラした会場に目を奪われていると、
横にいるシェルムちゃんに声をかける赤い髪の男。
私はそれが誰だか知ってるから、阻止しようと思ったら
サッとシェルムちゃんの手を取り連れて行ってしまった。
赤い髪の男は私に気づいていて「ごめんな」とニヤッと笑い、ジェスチャーを送ってくる。
私はその男が気に入らなくてたまらないので、ムッとにらみつける。
赤い髪の男・・・彼は私の従兄だけど、昔からあまり仲が良くない。
小さい頃にやられた悪戯の数々もあるんだけど、いじられた記憶ばっかりで、
彼との思い出はいい思い出じゃないの。
そんな彼が私の一番大事な友達と許嫁になったと聞いた時は本当に本当に本当に、
ショックだったし受け入れがたい事実だったんだけど、
報告を受けた時、
パッと見た時の従兄のしまりのない顔と、一緒に笑ってるシェルムちゃんの顔は
すごく幸せそうに私は見えて、でもそれが気に入らなくて、複雑で。
心のどこかでは応援するしかないってわかってるんだけど、
私の過去されたいじわるを思うと、どうしてもシェルムちゃんにおススメできない。
キラキラの会場をよそに私は思い出してモヤモヤしていた。
「ララちゃん・・・!」
ステラちゃんの声に我に返ると、目の前に差し出された手。
パッと我に返って見上げると見たことのない男の人。
赤と黒で羽根のついた仮面と、キラキラしたお花をスカーフにつけて、
私の前で微笑んで手を差し出してくれている。
突然のことに、戸惑う私。
え?え? 誰だろう・・・
私の知ってる人の中に彼のようなグレーの髪を持つ男の人はいない。
差し出された手におずっと手を添える。
男の人はその間一言も話さず、ダンス会場へ私をエスコートする。
授業で習った通りにまずはお互い一礼して、音楽に合わせて踊り始める。
男の人は優しくリードしてくれて、
緊張でわからなくなっていたステップもさりげなく誘導してくれている。
最初は夢中で余裕がなかったんだけど少し落ち着いてきて、
改めて彼に目をやる。
誰なんだろう、踊り慣れてるから先輩・・・とか?
仮面の向こうの素顔を想像してみるけど、誰なのか本当に見当がつかない。
会場のシャンデリアの光で彼のスカーフにあるクリスタルのお花がキラキラ煌めく。
とても綺麗・・・彼のコーディネートの中でもひときわ輝く綺麗なお花。
再び視線を仮面に戻してもやっぱり誰だかわからない。
包容力というのか彼のリードはとても安心できて、
だんだん踊りを楽しめるようになってきた。
楽しいな・・・
経験したことのない高揚感を感じる。
素性が知れない彼なのに、私に合わせてくれるからなのか本当に楽しくて。
時間があっという間で。
音楽が途切れて、私たちも踊りを終えた。
再び一礼をして、また彼は私がさっきいた場所へとエスコートしてくれる。
挨拶をして彼は去った。
初めてのダンスはとてもとても素敵だった。
エスコートしてくれた彼、正体は結局わからないまま。
包容力のある彼のリードは安心できて楽しくて、そしてすごく高揚して。
ドキドキした。まるで本の中の出来事みたい。
私は自分の喉が渇いていたことに気が付いて、飲み物を手に取り喉に流し込む。
ずっと心臓の音がうるさくて・・・
ドキドキ・・・
きっとこれがドキドキ・・・
私はこの後もずっとずっとはじめてのダンスの余韻に浸っていて。
シェルムちゃんが従兄とは違う金色と青のインナーカラーの髪の男の人にエスコートしてもらってたり、
ステラちゃんがすごくキラキラした男の人と踊ってるのを見たり・・・
会場の華やかさに目を奪われつつも私は彼の事が気になっていた。
あの人は、誰なんだろう・・・?
ララ:ゴーストダンスパーティー 夜の部
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