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ニューイヤーフェスティバルから、私はエルモくんをずっと避けていた。
なんとなく顔を合わせるのが恥ずかしくて、
授業で話さなくちゃいけない時はお友達を通して会話していた。
このままじゃ駄目だなぁとわかってるんだけど、どうにもこうにも恥ずかしくて。
そんなこんなしてたらすっかり2月に入ってグラシデアデイになった。
今もシェルムちゃんにエルモくんと話さないの?と聞かれている。
私もこのままエルモくんと話せなくなるのは嫌だし、嫌われたら悲しい。
でもなぜか逃げてしまう私がいて、こんなの私らしくないとも思ってる。
わかってるのに・・・・。
***
魔法で大量のひまわりがシェルムちゃんの目の前に現れる。
こんなことするのは一人だけだから、誰なのかわかってしまい。
そちらに目を向ける。
「ララ!」
「何?」
「これを・・・」
従兄に渡されたのは小さな白い花が咲いた花束だった。
「・・・・!!」
まさか従兄から渡されるとも思っても見なくて驚く。
「まだ内緒にしてたからシェルムから聞いてないと思うが、」
「俺はシェルムと将来の約束をした。」
「・・・結婚する約束?」
知ってたよ・・・年明けからシェルムちゃん頑張って耳にピアスの穴開けてたよ。
知らないわけないじゃない。
「ああ」
ルークの嬉しそうな顔。
「・・・知ってた」
「だからいろいろ邪魔してきたんだもんな」
「・・・わかってる、シェルムちゃんもそうだったから」
いつかの朝、ずっとにこにこしてたシェルムちゃんを私が気づかないわけがない。
でも、そんな顔させるのはルークだけだってもう私は気づいてる。
このブーケの意味はまた調べるとして。
「シェルムちゃんを不幸にしたら許さないから」
「わかってる」
「シェルムちゃんが泣いてたらいつでも駆けつけてルークから奪うから!」
「ああ」
ゆっくり深呼吸して、ルークの視線と合わせる。
「・・・おめでとう、複雑だけど」
「ありがとう、俺はおまえの幸せも願ってる。ララ」
「・・・ん」
従兄・・・ルークは。
いつもいつも勇気を出してシェルムちゃんに振り向いてもらうための努力をしてた。
私も逃げてちゃだめだよね。
従兄になんか負けたくないし。
シェルムちゃんとられちゃったし。
エルモくんとちゃんとお話をしよう。
お話しにいかなくちゃ・・・!
私はエルモくんの元へと歩き始めた。
途中振り返ると幸せそうなルークとシェルムちゃん。
私もああなりたいな。
お話の世界みたいに。
エルモくんと、そうなれたらいいな。
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