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ヒバニーのお茶会で



グラシデアデイから時間が経ってしまって、3月になってしまった。


結局まだ満足にエルモくんとお話が出来ないでいた。





今はなんとなく避けちゃう気持ちが恥ずかしさからくるものなんだって、気づけてる。





私はエルモくんに恋・・・をしている。

言葉にするとまだちょっと恥ずかしさはあるんだけど。

あれからよく考えて、皆に相談に乗ってもらって気づけた。




でも、エルモくんとちゃんとお話しできてないのは本当に辛くて。




同室の先輩やお友達もいつも心配してお話聞いてくれて。

私はこの学園に入って、皆と一緒に過ごせて本当に良かったと思ってる。




私も逃げてばかりじゃだめだって、今度こそ話しかけるぞと意気込んではまたうじうじして。


あんまり時間をかけちゃうと、また前みたいにお話できなくなるかも。



そんなの嫌だな・・・嫌だよ。








「ララちゃーん!ヒバニーのお茶会この服で行こうよ~!!」


「ニアちゃん!!」




部屋に籠ってたらニアちゃんが誘いにきてくれた。

いつも明るく接してくれてニアちゃんにはとても感謝してる。



「わ~かわいい服だね!」



「でしょ~?ディアンドルっていうんだって」
「オシャレいっぱいしよう!お化粧もしちゃう~!?」



「ふふ、いいね」



いつもニアちゃんは私を明るい気持ちにしてくれる。
ありがたいなぁ~。





ニアちゃんが持ってきてくれたディアンドルを着てみて
可愛くて二人で一緒にいっぱい写真を撮った。


この一年でいっぱい写真も溜まったなぁ~
自分で見返すためにSNSにいっぱい写真を残してる。


どれもが楽しくて大事な思い出ばかり。




その写真の大半にエルモくんがいる。




ちゃんとお話ししたい・・・。











*******





ヒバニーのお茶会当日。



ヒバニーのお茶会では多様な文化を学ぶため、様々な国の民族衣装を身にまとい、
いろいろな国のティータイムを学ぶ。


私も早速ニアちゃんとお揃いのディアンドルを着てお茶を飲んだら、
どうやら年を取ってしまうお茶だったみたいで、私とニアちゃんはお姉さんになった。

しばらくしたら元に戻るみたいだけど、ちょっとお姉さんになって楽しくなってきた私。




いろんなお茶菓子を食べるために各テーブルを回っていると、

白い民族衣装のエルモくんを見つけた。



目が合うと私はドキンとして、さっとまた違うテーブルに向ってしまった。



「~~~~こんなこと絶対よくないよね・・・」




意を決して振り返りエルモくんがいたテーブルに戻ろうと、踵を返す。
途端、私は光に包まれて体が元に戻った。


「びっくりした~」


お姉さんといえど、身長はそんなに大きくなったわけじゃなかったので、
魔法で服の大きさと髪型をいつものツインテールに直す。



髪の毛はお姉さんの方が良かったな・・・私の髪すぐ広がっちゃうしなぁ~




なんて、突然戻ったので少しびっくりしていると、

足元に誰かの使い魔だろうかヒトモシがいた。



「わ~かわいい~~!迷子かな?」



ひょいっと抱き上げてヒトモシと目を合わせる。

ヒトモシの使い魔初めてみたな・・・かわいいな。



「なんだかあなた、私の大切なお友達に雰囲気が似てる」



優しそうな瞳がすごくエルモくんみたいで。


ヒトモシを抱っこしたままさっきのテーブルに来たけど、エルモくんは既にいなかった。


溜息を吐くと、心配してくれたのか
ヒトモシが私の手に手をかけ心配してくれているのか声をかけてくれる。




「また私ね、そのお友達から逃げちゃったんだ」

「本当は逃げたくないのに、さっきもちゃんとお話ししようと思って逃げちゃったんだ」




その言葉を聞いてまもなく、ヒトモシが光に包まれてエルモくんの姿になった。




「!!?」




すごくびっくりしてしまって、また逃げようとしてしまった私。





「エルモくん、手を離して・・・」


「だめだよ、だって手を離したら、ララはまた逃げちゃうでしょう?」



手を握ったまま、にっこりと笑うエルモくん。



今いわないと私も後悔するよね・・・

私は意を決してエルモくんの方をまっすぐ見つめる。



「今まで逃げちゃってごめんなさい。」


「私ね、ずっとエルモくんのこと大事なお友達だと思ってたんだけど、」



「エルモくんから逃げちゃってた時に、
 エルモくんが私の中でお友達以上の存在なんだって気づいたんだ」



「私には大切なお友達のシェルムちゃんがいて、
 シェルムちゃんが私の従兄と本当に仲良さそうにしてるのを見て・・・」




「私もエルモくんとはそういう関係でいたいなぁって思うようになったの」




顔が熱いのがわかる、私もちゃんと言葉としては発してるけど、
何喋ってるか覚えてない。




ちゃんとお話できてるか不安だけど、

エルモくんにはちゃんと私の気持ち知って欲しいから。。。



私の様子を見てエルモくんがゆっくり言葉をつづける。


「ララの気持ちを聞かせてくれて、嬉しいな」


「エルモはね、ララと一緒にいるととっても楽しいんだ。」

「ララが嬉しそうだとエルモも嬉しいし、
 何か楽しいことがあるなら1番にララを誘いたいなって思うよ」


「この気持ちが、ララの気持ちと同じものなら、エルモもララとそういう風になれたら嬉しいなって、そう思うよ」




それってエルモくんも私の気持ちと同じってこと・・・?

暫く私は放心状態で、エルモくんに握られている手がなんだか汗ばんできたきがする。



「・・・そうだ!」


ちょっと待っててというので、少し待つ。


久しぶりにエルモくんとお話できて少しポワポワしてしまう私がいる。
まだちょっと頭の整理がついてない。


エルモくんはそんなに時間かかることなく戻ってきた。


「これ、ララに」


サッと出されたのはゴーストダンスパーティの時に仮面の君がつけていたブローチ。


私は咄嗟に両手で受け取る。



「・・・・・・もらってしまっていいの?エルモくんの大事なものなんじゃ」



「うん、エルモもとってもお気に入りの大切なブローチだよ。」
「だから、ララに持っていて欲しいなって思ったんだ」


キラキラ光る、本当に綺麗なブローチ。
大切にしてるんだろう、傷もなくてピカピカで綺麗で。思わずずっと見惚れてしまう。


「・・・ありがとう!大切に大切にするね・・・!!」


今はディアンドルを着てるけど、
すごく付けたい衝動にかられて胸元にブローチを付けてみようとする。

手が震えてるからか上手く付けられなくてあわあわしていると、
エルモくんがそっと手助けしてくれて胸の部分に無事ブローチを付けられた。


「うん、ララにとっても似合ってるね」



にっこり笑うエルモくん。


私はその言葉にすごく嬉しくなって私もにっこり笑う。



「エルモくん、本当に今まで避けちゃっててごめんね」

「これからもずっとずっと仲良くしてほしいな」







「もちろん・・!!」















エルモくんと仲直りできて本当に本当に嬉しいんだ。

エルモくんと素敵な関係になりたいな、憧れてる物語の二人みたいな。










Thank you for reading.....

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