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衣装決め

「ドレスはどれにする?カタログ見てくれたかしら?」

「・・・まだ、悩み中~」

ママとビデオ通話しながら、
私はゴーストダンスパーティーで着る予定のドレスを選んでいた。


「昼の部はアリスのティーパーティーなんだっけ?」

「うん、私はチェシャ猫なの」
「耳と尻尾は同級生のステラちゃんが作ってくれるの」

「ステラちゃん?」

「うん、同級生の子なの。同じ1年生だと他にエルモくんとウキグモくん」
「ほかに先輩もいっぱいいるの」

「あら・・・いつの間にかシェルムちゃん以外にもお友達たくさんできたのね」

「うん!」

嬉しそうに笑うママの顔を見て私も嬉しくなる。

学園での行事は初めてな事がいっぱいで本当に楽しい、
いろんな人と話せるし、仲良くなれる・・・気がしてる。私だけ・・・カナ?




「楽しそうにしてて、ママ安心したわ」

「楽しいよ!」

本当に楽しいの、いろんな人がいていろんな魔法があるし勉強になるの。


「それじゃ昼の部の衣装はこれでいいとして、夜の部のドレスね」

「いっぱいあって選べないね」

「そうよ、うんとおめかししなくちゃ」


画面の向こうのママが私と同じカタログのページを捲りながら
これでもないあれでもないと悩んでて。

「夜の部は仮面舞踏会だから、仮面との相性も見なくちゃ」

「仮面いるんだね」


「誰かわからない方が、ドキドキするでしょ?」
「まぁあえてわかるような仮面の人もいたけどね♪」



・・・ドキドキ、かぁ・・・

私にはまだちょっとわからない感情。
幽霊とかのドキドキとはまた違うんだって。
物語でよく見るその表現に、憧れがないわけではない。


「これはどう?シースルーにウエストにリボン」
「可愛いと思わない?」

「可愛いね」


ママが指差すドレス、本当にかわいい。
こんなふわふわなの着たことがないな。


「これにする?」

「する!」

「それじゃ、決まりね。」

「注文して送っておくから受け取ってね」

「わかった」


ママはなんでもかんでもすぐ決められちゃうタイプ。

ドレス選びのこの電話だってそんなに時間は経ってない。

私ののんびりしたところはパパ譲りらしい。



前に聞いた、パパもママもウィザプロの卒業生で、

しかもこのゴーストダンスパーティーの時に一緒に踊ったことがあるんだって。
普段と違ってドキドキしたってママがいっていた。


「ララもちゃんとダンス踊れるようにしなきゃね」
「今授業で習ってるでしょ?」

「うん、でも難しいね」

「練習してればそのうち体が覚えてくるわ」


「・・・がんばる」

「その意気よ」

電話の向こうから時計の音が鳴る。


「あら、こんな時間だわ!ララ、それじゃまたね」


慌てた様子のママが画面の向こうから手を振る。



「うん!ありがとう、ママ」


私も同じように振り返してそのまま電源を切った。



ゴーストダンスパーティー、

ちゃんと踊れるといいな。練習は頑張ってる。

ただ慣れない動きで心配で仕方ない。

だって当日はちょっとヒールのある靴を履く予定だし、
知らない人と踊るかもしれないんだよね?


「ちょっと不安だなぁ~」


私は緊張を紛らわせるために、机の上にあった飴を口の中に入れた。


ドキドキ、どんな感じなんだろう。




私もドキドキするのかな・・・








******ララ:衣装決め
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